7/13/2009

MYSTERIOUS RAIN

先月北京滞在最終日に、母から父の携帯に、祖父が亡くなったとのメールが届いた。
当初は母も旅行に連れて行くはずだったのが、虫の知らせか母だけは「いや、やはり行かない」と。
その読みがあたったのか、私と父が北京を満喫しているときに、祖父は病院でひっそりと亡き人となり、翌日に母は病院に駆けつけた。

その2日後に通夜がとり行わることになり、私も帰省。悲しい儀式の日に似つかわず、13時半に現地に到着したときには眼前には青稲と、一面の青空が広がっていた。昼食を終え親戚一同会したところで、死者を47日間の旅に出すための通夜会が始まった。時刻は16時。外を見ると先ほどの晴天とはうって変わり、灰色の重い雲が垂れ下がっていた、まるで我々の心のように。「死」はいつか訪れるとわかってはいても、こうして家族のメンバーを一人失うのは辛いものだ。一通りのことが終わると、17時ちょうどの出棺までまだ時間があったため、しばし久々に会う親戚同士で談話。祖父の曾孫にあたる子供たちも多くいたので、にぎやかで和やかな雰囲気だった。そのときまさにバケツをひっくり返したような雨が。叔父いわく今年はそれまで雨もあまり降らず、稲作に支障が出るのでは危ぶまれていたほどだった。そこに急に土砂降りとなり、用水路から水もあふれ出すというほどだった。それが17時ちょうどにぴたっと小降りとなり、まるで出棺時刻に合わせているかのようだった。

翌日はいよいよ葬式。式が始まると、とたんにまた前日のような驟雨が。そして式が終わるころにはもうすでに雨は止んでいて快晴。ひととおり終わりそのまま火葬場へと向かい、棺がバーナーの中に納められると、本当に最後の別れとなった。するとまた突然のにわか雨が激しく降り始めた。これも長くは続かず、小一時間もすると午後の日差しに雨露が光り、山の木々が青々と茂って見えた。

翌日私が東京へ戻ろうとすると、前日・前々日ほどではないが、またさあさあと雨が降ってきた。

農業一筋で実直に生きてきた彼からの恵みの雨だったのか、涙なのか。とにかく不思議な雨だった。

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